分子夾雑の生命化学

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新学術領域「分子夾雑の生命化学」第2回関西地区シンポジウム • 第1回CIBIC ワークショップ が開催されました。

新学術領域「分子夾雑の生命化学」第2回関西地区シンポジウム•

第1回CIBIC ワークショップ 報告書

京都大学 工学研究科  CIBIC特定助教 坂本清志

 

  令和元年12月17日に京都大学桂キャンパスにて、新学術領域研究「分子夾雑の生命化学」第2回関西地区シンポジウム、第1回CIBIC ワークショップが開催されました。本シンポジウムは、本領域において進行している研究内容を相互共有するとともに、研究者間の交流を深めて領域内連携を一層推進することを目的としています。また、CIBICワークショップでは、最先端機器共同利用推進による研究活動の促進と高度な研究技術の相互供与による共同研究の推進を目的としています。

本シンポジウムとワークショップには、合計43名が参加し、大変盛況な会議となりました。午前中に開催した第1回CIBIC ワークショップでは、シンポジウム世話人である窪田亮先生(京都大学工学研究科)ならびに田村朋則先生(京都大学工学研究科)から「共焦点レーザー顕微鏡LSM800 with Airyscan: 超分子ヒドロゲルの高解像度イメージング」および「Orbitrap LC-MSMS Q-Exactive を用いた細胞内有機化学のプロファイリング」の各タイトルにて、本新学術領域解析拠点であるCIBIC に配備されている超高解像度共焦点レーザー顕微鏡LSM800-Airyscan (Zeiss) と液体クロマトグラフィータンデム質量分析装置Q-Exactive (Thermo Fisher) について、装置の仕様、原理からアプリケーションまで、実際の研究成果をふまえて判り易く解説いただきました。

午後に開催した第2回関西地区シンポジウムでは、本新学術領域に参加する計画班および公募班の若手研究者7名に加え、招待講演者として森井孝先生(京都大学エネルギー理工学研究所 教授)をお招きし、最新の研究成果についてご講演いただきました。各演者の先生による発表では(発表20分、質疑応答5分)、有機合成化学、核酸化学、生物物理化学、ケミカルバイオロジー、構造生物学や計算機化学等を含む非常に多岐に渡る分野から、複雑な細胞内環境や分子夾雑下における生命化学の理解を目指した多くの成果が発表されました。

また、森井孝先生には、「空間配置を制御した酵素集合体の化学」の講演タイトルにてご講演いただき、細胞内という夾雑環境下において、複数種の酵素が共役して行う多段階触媒反応や逐次反応の解明に向けたDNAナノ構造体によるタンパク質空間配置制御戦略について最新の研究をご紹介いただきました。

ワークショップと会議全体を通じて、非常に活発な質疑応答と議論がなされ、大変有意義なシンポジウムとなりました。本シンポジウムと意見交流会を通じて、参加者による交流と積極的意見交換が行われ、「分子夾雑の生命化学」という領域研究を推進する上で大変有意義な会議となりました。

シンポジウムにて講演される森井孝先生(左)ならびに建石寿枝先生(右)