Chemistry for Multimolecular Crowding Biosystems

分子夾雑の生命化学

menu

ISBC2017が盛会のうちに終了しました。

The Second International Symposium on Biofunctional Chemistry, ISBC 2017 報告 

京都大学 工学研究科  坂本清志、浜地格 

平成29年12月14日から16日まで、京都大学宇治キャンパスきはだホールにて日本化学会生体機能関連化学部会主催、本新学術領域「分子夾雑の生命化学」共催の国際シンポジウム、The Second International Symposium on Biofunctional Chemistry (ISBC 2017、http://www.bunshi-kyouzatsu.jp/isbc2017/index.html) が開催されました。一般参加者135名(内、外国人招待講演者18名)、ポスドク•学生参加者65名の合計200名と予想以上の参加があり、京都の冷え込みの厳しい時期にもかかわらず、大変盛況なシンポジウムとなりました。

今回のシンポジウムでは、New aspects of biomolecules, Organic chemistry in cells, Artificial molecular systems beyond biological functions, Chemistry for cell analysis and regulation, New structure and function of biomolecular systems, Physical and quantitative understanding of cells at molecular level の 6 つのセッションが設けられ、それぞれの分野で世界をリードする研究者による口頭講演 30 件と 104 件のポスター発表が行われました。また、各セッションでは、国内外の著名な研究者を招待講演者とした最新の研究発表に加え、各分野を代表する国内若手研究者 1 名による研究報告が行われています。

今回のシンポジウムにおいては、多くの中堅や若手研究者がプログラム作成から関与し、また、講演後の質疑応答においても若手研究者からの積極的な参加が目立ち、終始非常に活発なディスカッションが繰り広げられる熱気に包まれた 3 日間となりました。また、シンポジウムでは、甲南大学の遠藤玉樹准教授による「分子夾雑中におけるリボスイッチアプタマーとその標的分子との相互作用」やノースカロライナ大学 Gary J. Pielak 教授による「生細胞中でのタンパク質生物物理化学」等、分子夾雑化学に関連したトピックスも多く発表され、活発な議論がなされました。

シンポジウムには招待講演者として、本新学術領域における海外ハブ研究者候補である Benjamin G. Davis教授 (オックスフォード大学) や Peng Cheng教授 (北京大学) も参加しており、国際交流ネットワーク形成へ向けた交流を深めることができました。本シンポジウムには本新学術領域に参加しているメンバーも多くが出席しており、分子夾雑化学という新しい学理の構築に向けた国際連携の推進に加え、若手研究者の育成に多大に貢献したものと考えられます。

  

写真 左:シンポジウム実行委員長浜地格先生による開会挨拶 右:講演会場内の様子