新学術「分子夾雑化学」海外派遣 ( A03公募班 : 大塚先生 )
新学術領域研究 海外派遣 報告書
大阪大学理学研究科 大塚 洋一
公募研究A03班の大塚洋一は、2019年1月18日から2月23日の期間にアメリカに滞在し、新学術領域研究に関連する、生体分子や生体組織を対象とした研究を精力的に行っている研究室に訪問しました。大気圧サンプリングイオン化法の第一人者である、Purdue UniversityのCooks教授のラボをハブとして、Cooks教授からご紹介頂いた研究室や、私が以前から訪問したいと考えていた研究室を訪問し、ディスカッションの機会を得ることが出来ました(表1)。
新学術領域「分子夾雑化学」の紹介と、大塚が取り組んでいる「走査型プローブエレクトロスプレーイオン化法」の研究成果には、多くの研究者が興味を示しました。数名の研究者とは、共同研究を開始すること、相互の技術融合の継続的な議論を行うことになりました。質量分析法は、生体成分の網羅的計測や構造解析のための強力な分析技術の一つですが、アメリカが当該研究分野を主導している状況にあります。お会いした研究者との国際的な研究活動や交流活動を通じて、我々の研究成果を提示していきます。
史上最強の大寒波や長時間の自動車移動など、広大な国での生活を経験できたこと、また、著名な研究者とのディスカッションやセミナーでの発表、研究室の見学を通じて、最新の研究動向や研究室運営の工夫を学べたことは、今後の研究推進の上で非常に有用であったと確信しています。このような素晴らしい機会を与えて下さった、国際活動支援班の皆様、そしてCooks教授に厚く御礼申し上げます。
表1 訪問先のリスト
大学名 |
研究者名 |
実施事項、研究概要 |
Purdue university |
Prof. Graham Cooks, Dr. Christina Ferreira, Dr. Zhenwei Wei, Dr. Brett Marsh, Prof. Julia Laskin |
ラボセミナー発表・研究室訪問 |
Indiana university (Bloomington) |
Prof. Lane Baker, Prof. Stephen Jacobson, Prof. Dennis Peters, Prof. David Clemmer, Prof. Megan Thielges |
オープンセミナー発表・研究室訪問 |
University of Illinois at Urbana-Champaign |
Prof. Janathan Sweedler, Prof. Stanislav Rubakhin, |
研究室訪問とディスカッション |
Texas state university at Austin |
Prof. Livia Eberlin, Prof. Jennifer Brodbelt |
研究室訪問とディスカッション ・ヒト組織の疾病関連物質の可視化 |
Texas A&M university |
Prof. Xin Yan, Prof. Arthur Laganowsky, Prof. David Russell |
ラボセミナー発表・研究室訪問 ・微小体積液体の迅速化学反応 |
University of Michigan |
Prof. Robert T Kennedy, Prof. Kristina Hakansson, Prof. Kerri Pratt, Prof. Ryan Castle Bailey, Prof. Stephen Maldonado, Prof. Wenjing Wang, Prof. Julie Suzanne Biteen |
研究室訪問とディスカッション ・疾病関連物質の分析法の開発 ・電子捕獲乖離法によるペプチドの構造解析 ・マイクロレゾネータを用いた生体物質の計測法の開発 |
IUPUI |
Prof. Nicholas Manicke |
ラボセミナー発表・研究室訪問 ・生体中の薬物の迅速分析法(ペーパースプレーイオン化) |
訪問先のまとめ