第92回日本生化学会共催シンポジウム「ケミカルツールで切り開く生命科学研究」が開催されました。
新学術領域「分子夾雑の生命化学」・「共鳴誘導で革新するバイオイメージング」合同
第92回日本生化学会共催シンポジウム「ケミカルツールで切り開く生命科学研究」報告書
東京大学/田端和仁
2019年9月18日、第92回日本生化学会(パシフィコ横浜)において「分子夾雑の生命化学」・「共鳴誘導で革新するバイオイメージング」の2新学術領域の合同で共催シンポジウムを開催いたしました。開催概要は以下の通りです。
タイトル: ケミカルツールで切り開く生命科学研究
日時: 2019年9月18日(水) 9:00〜11:00
会場: パシフィコ横浜 第8会場(304)
講演者: 清中 茂樹 (京都大学)、萩原 伸也 (理化学研究所)、岩野 智 (理化学研究所)浅沼 大祐 (東京大学)、田端 和仁 (東京大学)、神谷 真子 (東京大学)
オーガナイザー: 田端、神谷
シンポジウム概要
生命現象の解析や病因の解明などにおいて、「生きている状態の生物試料」における生体分子の挙動や動態を観測・制御することは極めて重要であり、低分子化合物を用いた可視化や機能発現・制御などの化学的手法が果たす役割は益々大きくなってきている。
また同時に、その使用法や適用範囲は多様化しており、化学・物理・生物などの異分野間のより強固な連携の必要性が高まっている。本シンポジウムでは、ケミカルバイオロジー・生物物理の分野において、独自のアプローチで生命現象の解明に取り組む新進気鋭の若手研究者が一堂に会し、ケミカルツールを用いた生命科学研究の最先端の技術や成果を紹介するとともに、その将来展望について議論する。
本シンポジウムは分子夾雑から清中、萩原、田端の3名とレゾナンスバイオから岩野、浅沼、神谷の3名が発表を行いました。分子夾雑は細胞内分子夾雑環境の理解と制御を目的としており、レゾナンスバイオはバイオイメージングを目的としている領域です。そのため、この2領域の親和性は高く、お互いの研究や技術をぶつけ合うことで、新しい研究の芽を生み出すことを目的に開催されました。講演者も、実際の研究の現場を目の当たりにしている若手を中心に選定し、最先端の研究に関する発表が行われました。
当日は朝イチのシンポジウムにもかかわらず各講演者に対して活発な議論が交わされ、これら領域のマージする部分は多くの聴衆も興味のある領域であることがわかりました。また、シンポジウム終了後も講演者同士で議論を深め、様々な分野の研究者同士の横のつながりもつくることが出来ました。これらの成果から、新しい研究に発展することが期待できるシンポジウムとなりました。