新学術「分子夾雑化学」レクチャーツアー ( A02 計画班 : 杉本先生 )
レクチャーツアー報告書
甲南大学先端生命工学研究所 ( FIBER ) 所長・教授 杉本直己
総括班・計画研究 A02 班の杉本直己 ( 甲南大学 FIBER ) は、2018年5月8日に中国南京農業大学にて「The world of non-canonical nucleic acids」の演題で招待講演を行いました。また、2018年5月9日には A02 班の建石寿枝 ( 甲南大学 FIBER ) と共同研究者の遠藤玉樹 ( 甲南大学 FIBER ) が、それぞれ「Chemical environments in cells during tumor progression regulate transcription by DNA structural changes(建石)」、「Modulated translation caused by noncanonical structures on mRNA(遠藤)」の演題で招待講演を行いました。
南京農業大学の Xiaorong Fan 教授と杉本らは、植物(イネ)内における遺伝子発現機構に及ぼす細胞内環境の影響効果を共同で解析しており、Xiaorong Fan 教授からの招聘を受け、同大学内で講演を行いました。講演では、分子夾雑の生命化学の概念および本学術領域が日本の科研費プログラムの中で立ち上がったことを紹介し、動物と植物細胞内の分子夾雑環境に関して議論を行いました。
本講演会を通して、細胞内の分子環境が核酸構造に及ぼす影響について、他分野の多くの研究者にも興味をもって頂きました。今回の南京農業大学でのセミナーには、植物生物学を研究対象とした研究者や将来の研究分野を牽引していくことが期待される学生・大学院生が参加し、杉本班の研究者が専門とする分野を超えて、議論を交わすことができました。さらに、今後も国際共同研究を継続し、世代や分野を超えた国際交流を通じて分子夾雑の重要性を広めていく予定です。
中国南京農業大学におけるレクチャーツアーの様子